現役の医学生や医療従事者の方々なら、アメリカなど海外の医学部や医療制度の実態について、一度は考えた経験があると思うのだが、ここでアメリカを例に挙げたいと思う。
日本では大学の医学部に入り、医師国家試験を受けて合格すれば、一応研修医として修行する資格はもらえるのだが、アメリカの場合は原則的に大学を出た(学部の制限は無い)後で、メディカルスクールという大学院のような機関で4年間勉強した上で、国家試験に合格すれば医者になれるのだが、アメリカのメディカルスクールの場合、卒業後は原則的に4年間レジデントを経験させられるのだが、職業学校のような位置付けなので、そこでみっちりと実習を重ねて、知識に関してもどんな病気・症状の人が来たら、どのような処置や検査をするべきなのかを、みっちり習うのである。いわば「大卒者のための職業訓練学校」というような位置付けになっているのだ。
アメリカでは、医学と医療の違いが明確であり、実際の患者さんを診るための「医療」のトレーニングをみっちり行うのに、日本では研究対象である「医学」のトレーニングが中心であるというのが実態である。とはいえどんなに優れた医学者でも、開発できるものはそう多いわけではない。しかし一般の医者は、その成果をいくつも使いこなせる。一つ一つの方法については、医学者の方が詳しいが、その方法をどれだけ使えるかという点では、一般の医者の方が優れているのだ。